今日は、企業経営理論のR4 第9問について解説します。
C.M.クリステンセンの『イノベーションのジレンマ』(The Innovator’s Dilemma)に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a 破壊的技術が登場した初期段階においては、破壊的技術を利用した製品の性能の方が持続的技術を利用した製品の性能よりも低い。
b 破壊的技術が登場した初期段階においては、破壊的技術を利用した製品市場の方が持続的技術が対象とする製品市場よりも小規模である。
c 破壊的技術が登場した初期段階においては、破壊的技術を利用した製品の方が持続的技術を利用した製品よりも利益率が低い。
〔解答群〕
ア a:正 b:正 c:正
イ a:正 b:誤 c:正
ウ a:誤 b:正 c:誤
エ a:誤 b:誤 c:正
オ a:誤 b:誤 c:誤
解説
イノベーションのジレンマに関する問題です。
各地位ごとの戦略については、まとめシートで以下の通り解説しています。
それでは選択肢をみていきましょう。
a 破壊的技術が登場した初期段階においては、破壊的技術を利用した製品の性能の方が持続的技術を利用した製品の性能よりも低い。
正しいです。破壊的技術(ラディカルイノベーション)は、初期段階では持続的技術(インクリメンタルイノベーション)よりも性能が低いですが、経営資源の投入に連れて性能が向上し次第に追い抜いていきます(技術のS字カーブ)。
b 破壊的技術が登場した初期段階においては、破壊的技術を利用した製品市場の方が持続的技術が対象とする製品市場よりも小規模である。
正しいです。破壊的技術(ラディカルイノベーション)は、初期段階では持続的技術(インクリメンタルイノベーション)の市場よりも小規模ですが、性能の向上と共に次第に市場規模が拡大し、いずれ逆転していきます。
c 破壊的技術が登場した初期段階においては、破壊的技術を利用した製品の方が持続的技術を利用した製品よりも利益率が低い。
正しいです。破壊的技術(ラディカルイノベーション)は、研究開発や知名度向上に掛かる費用が大きく初期投資が膨らむ傾向があり、初期段階では持続的技術(インクリメンタルイノベーション)の製品よりも利益率が低いです。
以上から、正解は選択肢アとなります。
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